3月25日、とうとう沖縄はクーラーが稼働し始めました(笑)ながーい夏が始まりますよ。皆様。覚悟の方はよろしいですか。もう、いろんなところで紹介されてる漫画ですが、たまたま新聞記事で「チ。」を担当した編集者の方のインタビューが載っていたので、おすすめしつつ、その記事をご紹介しようと思います。ご存知ですか、「チ。」、最高ですよね?担当した編集は千代田さんという方なんですが、仕事の方法論や考え方が「アーティスト×ビジネスマン」って感じで。面白いものを作るだけじゃなく、どう売るかまで考えてるところが印象的でした。あと、声がいい!なんか心地いい!ちなみに上のシーンは、私が一番痺れたシーン。人って本当に真理にたどり着くと、こんな風に言うんじゃないでしょうか。知らんけど。
タイトルが「チ。~地球の運動について~」って何
まず、漫画そのものなんですが、、、、。めっちゃ面白いです。中世ヨーロッパが舞台。キリスト教が今よりも絶対的な権力をもった組織という時代背景。教会が伝えている地球を中心に星々が周っている天動説という常識。しかし、観測事実を元に「実は地球が動いてるんじゃないか?」と研究を続ける者たち。キリスト教は自分たちにとって都合が悪いため、研究している人たちを異教徒扱いして迫害します。ここに迫害VS研究という構図で話が進んでいきます。迫害は苛烈を極めており、「よくこんな拷問器具思いつくな」と感じますが、実際の歴史にもいろんな拷問器具が存在しており、ひょっとしたら本当に起こったことなのかもと思わせるだけの迫力があります。研究している事がバレたら苛烈な拷問を受ける事がわかっているのに、研究者たちは「この世界の構造を明らかにする」という理想のため、時には平気で自分の命を犠牲にして研究を後世に託します。
話の展開はもちろん、キャラクターたちのセリフにグッとくる
名言だらけ。何かこの漫画にキャッチ―コピーをつけるとすれば、こうつけたいです。とにかく状況ごとのキャラクターのセリフがいいんです。










、、、、、くぅ~~~~~最高ですね!私の中のリトル川平慈英が「くぅ~~~」を連呼しています。ちなみに楽天カードマンに転生する前の川平慈英の方ですので、念のため。

どうですか?この数ページだけでも、グッときませんか?このおじさんの方のキャラクター、一回研究がバレて拷問を受けているため、口が裂けています。それでも、当たり前のように研究を続けている。この後の展開もかなりいいです。ぜひご一読を。アニメもネトフリで見れますよ。
本題のインタビューをご紹介
おっと。そうでした。このまま永遠に「チ。」のオモロい部分を解説し続けるところでした。

インタビュー読ませて頂きました。仕事に対する考え方がしっかりしていて、面白いです。「僕は一年に3回くらい「絶対に一緒に仕事したい」と思った作家さんに声をかています。魚豊さんはその一人でした」
「僕が考える漫画編集者の仕事は「面白い漫画を作ること」と「たくさん売ること」が目的だと考えています。そして、これらを達成するためにあらゆる事をするのが漫画編集者だと思っています。」
すごく参考になる仕事のやり方
ー「誰に向けた作品か」は決めていましたか?ー
最初から自分をターゲットにして「僕が面白いと思うか」「僕が買いたいと思うか」を考えて編集していました。自分ではない誰かを想像して、その人が究極的に面白いと感じられるものをつくることは、僕の場合はいまいち想像がつきません。でも、自分が面白いと思うまでだったら、どこまでも面白くする事ができるだろうと考えました。
ー自分をターゲットにした場合、ときに客観性が失われそうにも思いますー
自分の中にメジャーな感性、マイナーな感性、サブカルな感性などがありますが、なるべくメジャーな感性を使うように心がけています。編集をする時は、自分のメジャーの感性が世間とズレてないということを想定して、そこに触れるように漫画をつくっていくイメージです。メジャーな感性を磨くには、シンプルですが、「売れている漫画や映画、小説などに触れること」「多種多様な人と話すこと」が大事だと思ってます。
ー「地動説」というテーマの作品を、マスへ広げていくことは容易ではないと思いますが?ー
科学や歴史をテーマにした漫画で、かつ海外を舞台にした話なので、なかなか手に取りづらい作品だろうと思っていました。じわじわとお客さんに価値が伝わって売れていくというよりは、賞を取ったり感度の高い人に刺さったりして一気に認知を高めることで売れることを目指しました。宣伝文句としては、歴史物といった側面は伏せて、「世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?」といった宣伝コピーを使い、「万人に通用する面白さ」へと近づけることを意識していました。
おすすめの漫画「チ。」はどう作られたのか|まとめ
いかがでしたが?漫画づくりもやっぱりマーケティングなんだなぁと思った次第です。取り扱うテーマ、作者の思いは大事にしつつ、より多くの人に読んでもらうために、万人に刺さるように作品と宣伝をつくる。そのために知恵をしぼる。そして実際の作品クオリティ。ぜひ、読んでみてください。それでは、また。