何年もかかりましたが、よーやく常温で日持ちする和菓子ができました。もーすぐ販売を開始します。常温で日持ちするので、気軽に贈答用としてお買い上げいただけます。なんてったって常温で日持ちするので(笑)沖縄の塩を入れており、より甘さを引き立てております。おっと宣伝がすぎました。しょっちゅうYouTubeのおすすめで出てくる番組「PIVOT」。経済や健康・スポーツの分析などをわかりやすく解説する情報番組です。その中で沖縄ジャングリアをオープンしよーとしている、森岡さんのインタビュー動画があったので、その事を書きたいと思います。
何かを作るとき、コンセプトから始まる
この動画で、森岡さんは強いコンセプトは消費者理解が10割と語っています。それも「9割」じゃない。「10割」だと念を押しています。コンセプトとは、何か?例えばスターバックスの「第三の場所」というコンセプトがあります。現代の人々は「仕事での役割」と「家庭での役割」という2つの場所において、緊張状態にある事が多い。ほっとくつろげる第3の場所として、価値を提供するのがコンセプトという事になります。そのため。カチャカチャ音のなるカトラリーではなく、紙のカップで提供し、フランチャイズではなく直営で居心地をキープする。第三の場所の魅力は、体験してみない事には始まらないので、近い店舗を都市部に集中して出店する。「人間がほっとしたい」という本能は強く、高い頻度で利用する事を想定しているため、集中出店する事にビビらないとゆーわけです。
ワークマンのコンセプトをご紹介
みんな大好きワークマン。泣く子も黙るワークマン。と言いたいところですが、行かない人は全然行かないですよね?私もそうです。ワークマンのメインターゲットは建設現場などで働くプロユーザーです。ワークマンのコンセプトは「プロ向けのスロー商品」です。プロにとっての価値とは、「機能」と「価格」。防水性だけでなくムレを軽減する透湿性や動きやすいストレッチが効いている。値段はというと、上下で4,900円など、低価格を実現している。その代わりファッション性やトレンドは追いません。ZARAなどの一般的なアパレルブランドは、その年のトレンドに合わせて商品を作り、売り切るスタイルです。例えばオーバーサイズの服がトレンドならそのラインナップで作ります。しかし、ワークマンでは、機能と価格に焦点を絞っているため、一度開発した商品は5年~10年かけて売り続ける戦略。これがスロー商品という事になります。そのため、繊維工場に発注する枚数が増えるため一枚当たりの単価が下がります。それが低価格につながる。長期で販売するため、今月に何枚売れるかという予測がたちやすく、データ経営にも取り組める。そのため、店舗ごとの在庫を適正に保つ事ができる。
強いコンセプトまとめ
このように、コンセプトが決まると自動的にやるべき事も決まってきます。スターバックスは「第三の場所」というコンセプト的に集中出店や直営がマッチしているように。ワークマンの「プロ向けのスロー商品」というコンセプト的に数年がかりでの販売や、データ経営がマッチしているように。
ジャングリアのコンセプト
スターバックスやワークマンの事例は、私が勝手に用意したものです。コンセプトってそもそも何なの?経営の中でどう機能するの?といった疑問を説明するために、有名な事例をご紹介しました。この動画の中では森岡さんは、沖縄に作るテーマパーク「ジャングリア」のコンセプトについて語っています。ジャングリアのコンセプトはずばり「パワーバカンス」。
ジャングリアのターゲットと求めている本能とは
ジャングリアは元々沖縄にやってくるインバウンドをターゲットにしています。沖縄から飛行機で4時間以内で行ける人口って何人いると思いますか?有名なので、ご存知の方もいるかと思いますが、20億人です。成長し続けるアジアから近く、これは日本でダントツの場所という事になります。人間は、4時間以内の移動であれば積極的に移動するというデータがあるそうです。そして、アジアの富裕層は旅行に何を本能的に求めているのか?ここをとらえる事でコンセプトの土台を作っていきます。アジアの富裕層は何を求めているのか?
アジアの都会には緑が無い
森岡さんが丹念にインタビューや観察を通して見出したポイントがここでした。日本は森林大国です。国土あたりの森林面積は世界3位。フィンランドとかと同じレベルだという事です。そしてアジアの都会は意外と緑が不足しており、何てことない公園の緑にすごく価値を感じている事がわかってきます。そこで、沖縄嵐山ゴルフ場を購入し、自然との没入感という本能をとらえた「パワーバカンス」というコンセプトが生まれました。恐ろしいのは、ゴルフ場の居抜きで各地域に水平展開できる。そのプロトタイプという位置づけにもなっているところです。
本能とは
今回、わざわざ自分でも森岡さんについてブログを書きおこしているのは、この本能という言葉について考えたいからです。普段自分はニーズという言葉を使ったりしますが、森岡さんはこの言葉をまったく使わず、「本能」「脳のはたらき」「無意識に」という言葉を多用します。ニーズという言葉は便利で、使うと賢くなった気がするし、本当にニーズがある気がしていました(笑)しかし、今思うと表層的な消費者理解でしかなかったような気がするのです。人間の購買決定はもっと「無意識の中で行われ、本能で行動する」そこをまず理解する事から始めないといけないと思ってます。
SNSがついている本能とは
この動画でも出てくるのですが、SNSは本能をジャストミートしたサービスです。森岡さんはこう表現しています。「人間は社会の中で自身の立ち位置を確認したくてしょうがない生き物」人間はそもそも村という組織で上手にやっていかなければ、ライフラインが成り立たず生活できなかった。それが強く本能に刻まれている。SNSを観る専門の人であっても、知り合いがどのような生活をしているのか気になってしょうがない。それは、ひとえに自身の立ち位置を確認するための本能に抗えないからです。こう人間を捉えなおした時、SNSはあやふやなニーズという概念ではなく、どうしても反応してしまう本能に支えられた商品だと言えるでしょう。余談ですが、森岡さん個人としては、人間どうしは繋がれば繋がるほど、幸福度は下がると結論づけているようで、個人SNSはやっていないそうです。
雑味を入れない消費者視点
この本能は、設定したターゲットのものでないといけません。このターゲットの本能やものの見方を,自分の解釈やフィルターを通すのではなく、自分の他に純粋にターゲットそのものの人格を作り上げるような感覚で没入していく。これをプロトタイプというそうです。マーケティングを訓練を積んだ人とそうでない人を決定的に分けるのは、プロトタイプを作れるかどうかだと言っています。多くのマーケターや素人は、お客様の声や行動を自分のフィルターを通してゆがめてしまっている。そのため、消費者理解が甘く、強いコンセプトが作れないという事になります。
、、、、。なんだかもの凄く、長くなってきました(笑) この動画自体1時間40分あって内容も濃いため、とても一つのブログ内におさまる気がしません。続きはまた書きたいと思います。