前回は、和スイーツに合うコーヒーをお出しするために、どういう勉強をしたのか。そして、豆を探すのに四苦八苦している様を書かせて頂きました。前回のブログ→和スイーツに合うコーヒーを探してました。そんな中、たまたま商工会で会った先輩にもらった言葉「豆ポレポレ」。この謎のキーワードを中心に今回はお届けします。
結論から言うと焙煎所の名前
豆ポレポレの答えはコーヒー豆の焙煎所の事です。この先輩は家用のコーヒー豆をいつもこの焙煎所で買っているとの事。拠点が2つあります。焙煎に特化した「豆ポレポレ焙煎所」豆の販売とコーヒースタンドがある「豆ポレポレ」です。とりあえずフェイスブックのメッセンジャーで問い合わせてみました。
コーヒー焙煎所に初潜入
「和スイーツに合うコーヒーを探しています。ご提案頂けないでしょうか?」みたいな感じのメッセージを送ると、「焙煎所に来て頂いて、お話を聞きながら提案させてくれませんか?」と返信が。こっちとしては願ったり叶ったりです。こちとら焙煎所そのものにも興味があります。パークアベニューにある「豆ポレポレ焙煎所」に行きました。焙煎所なので、豆の販売をしている拠点ではありません。看板も出ていないので探すのにちょっとだけ苦労しました。入ってみると、落ち着いた照明にコーヒーの麻袋。かなり広いスペース。銅色に鈍く光る高そうな設備。見るからにコーヒー好きそうな雰囲気の仲村社長。求めていた場所についにたどり着いたような心持ちでした(笑)
ヒアリングと謎の指示
というわけで、打ち合わせです。仲村社長は、こちらの質問に対して的確に答えてくれます。私は、どんなメーカーのエスプレッソマシーンを購入したのか、メニューはコーヒーとラテで考えている事などを伝えました。また、最近流行りの浅煎りで酸味のあるコーヒーではなく、和スイーツに合わせる事を考えるとクラシカルな苦味やコクを感じられるコーヒーがいいのではないかという仮説もぶつけました。それらの情報をふむふむ言いながら、横にいた社員さんにときおり謎の指示を出しながら聞いていました。
衝撃の一言
ひととおり、私の話を聞き終えると、社員さんがコーヒーの入った容器を数種類持ってきました。そして「これから、教えて頂いた情報と和スイーツをイメージしながらブレンドをしていきます。持ってきて頂いた和スイーツを食べながらコーヒーを飲み、一番合うブレンドを探しましょう。後で見返すために、紙に番号を書き、味の感想をメモしてください。たぶん10種類くらい飲み比べる事になります。」
衝撃の豆ポレポレ
、、、、。ある程度コーヒーについて勉強してきたつもりでしたが、言われた直後は何をおっしゃっているのかわかりませんでした(笑)イマから、、和スイーツをイメージしてブレンド、、、10シュルイを飲みクラべ、、、??。そもそもそんなスピーディーにブレンドしていけると思ってなかったし、10種類出されても違いがわかるかどうか自信もありません。とりあえず1番のコーヒーがやってきます。、、、美味いやないかい、、、、。2番以降を味わってないのですが、美味い事だけは確かです。ちょっとだけ酸味があってコクと苦味がしっかりしている。と、メモしました。2番が来ます。さあ、ここからです。
衝撃の豆ポレポレ2
飲んでみると、、、。わかる。わかります。違いが。1番よりも酸味が若干強く、苦味が弱くなりました。どことなくフルーティーな香りもします。3番は酸味がもう少し強くなり、フルーティーな香りは弱くなった印象。、、、、、というよりもはっきり違いが認識できる事に自分自身驚いていました。恐るべきポレポレです。最終的に番号は13パターンにもなりました。似た印象の番号はあるものの、まったく同じに感じる味は一つもありません。そしてどれも美味しい。悩みましたが、1番と5番と8番の3つに絞られました。
衝撃の豆ポレポレ3
1番はバランスの取れた味でビターチョコレートのような風味。酸味はまったく無いわけではなくほんのり感じる程度。コクと苦味があります。5番は面白い味でした。コクや苦味は1番に似ているのですが、ティーのような風味があります。8番はあえての浅煎り。元々浅煎りは選択肢から外していたのですが、この体験を通して、浅煎りも全然アリじゃないかと思いました。ベリー系の風味と酸味は意外とお餅と食べても違和感がありません。仲村社長との議論を交わしながら、最終的に1番に決まりました。最初にイメージしていた味そのもので、鼻から抜けていくロースト香が香ばしいブレンドです。
豆選び体験そのものが非日常
ついに豆が決まりました!そのブレンドは「お餅のとけしオリジナルブレンド」と名付けられ、月2回・1キロ単位でお取引が始まる事になりました(^^)振り返るとなんだか不思議な体験でした。落ち着いた照明。次々とブレンドされて番号が貼られるコーヒーカップ。見た事もないスプーン(後にカッピングスプーンという名前が判明)ですくうように口に含む試飲。人の気配の無い夕方のパークアベニュー通り。その一角の、異様に広く高級そうな設備を備えた焙煎所。どれも普段の生活に馴染みがなく、遠くに旅行に来たような感覚と高揚感がありました。前々から友人に「豆ポレポレの焙煎所行ってきたんだけどさ、なんか普通の空間じゃなくて、、、、なんか、、凄いんだよ!コーヒー、、凄いんだよ!」と言ったところでまったく伝わりませんでした。今このタイミングでようやく言葉にできた気がします。今、この文を読まれている方に伝われば嬉しいです。それでは、また。
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